クマバチって刺すの?駆除するべき?巣の特徴や生態を解説【被害あり】
「クマバチって、大きいから毒が強そう…」
「ブンブン飛んで、怖い…」
クマバチって聞いたことはあるけど、実際どんな危険性があるのか分からなくて不安になりますよね。
今回はクマバチの生態や巣の特徴を解説していきます。
この記事を読めば、クマバチの注意すべき特徴を知ることができます。
クマバチは、性格は穏やかで積極的に人を刺してくる蜂ではありません。
ですが、巣を木に作るため、住宅に巣を作られた場合には被害が大きくなる前に駆除しなくてはいけません。
クマバチってどんな蜂?ほとんど人を刺さない優しい蜂
クマバチはどんな蜂でしょうか、特徴や性格を解説していきます。
・穏やかな性格でほとんど人を刺さない
・ふっくらした黒い体に、黄色い毛が生えている
・寿命は約1年
・「クマバチ」=「くまんばち」
1つずつ詳しく見ていきましょう。
クマバチは穏やかな性格|ほとんど人を刺さない蜂
クマバチの性格は穏やかで、ほとんど人を刺すことはありません。
スズメバチと比べると危険性が低い蜂と言えるでしょう。
メスだけが毒針を持っており、毒性は弱いですが、針が太いため刺されると痛いです。
めったに人を刺しませんが、こちらから攻撃したり、触ろうとしたりした場合には刺すこともあるため注意しましょう。
クマバチはブンブンと音を鳴らしながら飛ぶため、怖い印象がありますが、人が近くにいただけで刺されるということはありません。
オスは春頃、地上2mほどの高さで空中に留まるようにして飛び、メスが寄ってくるのを待つ行動を取ります。これをホバリングといいます。
この時のオスは、周辺で動くものをメスがどうか判断しようと、近づいてきます。
近くに寄って来たり、追いかけてくることがありますが、「メスが来たかな?」と勘違いして見に来ているだけなので、慌てる必要はありません。そっとしておきましょう。
クマバチの特徴|太目の黒い体に黄色い毛
クマバチは体が黒く、胸周りに黄色い毛が生えているのが見た目の特徴です。
日本で主に見られるのは「キムネクマバチ」で、体の大きさは2cm〜3cmと大きい蜂です。
スズメバチやアシナガチと比べると、クマバチは体が、ふっくらしています。
クマバチはミツバチ科で、餌は主に、花の蜜や花粉です。特に好きなのは、藤の花。
クマバチは強いアゴで、硬い藤の花の花弁をこじ開けて蜜を取ります。藤の花にとっても花弁を開いてくれるクマバチは、お互いに無くてはならない存在なのです。
クマバチの活動サイクル|寿命は1年
4月 | 冬を越え、成虫が交尾する |
5月 | メスが巣作りをして、卵を産む |
6月 | 子育てをする |
7月~10月 | ・子が成長し、羽化 ・成虫となるが、巣から出ずに親から餌をもらう |
11月~12月 | ・子(新しい成虫)は冬眠を開始 ・親は寿命を迎える |
1月~3月 | 冬眠中(冬越え) |
クマバチには、スズメバチやアシナガバチと違って、女王蜂はいません。
単独行動が基本となり、巣の中で親子で過ごして暮らしています。
毒針を持つのはメスで、巣作りをするのもメスだけです。
オスとメスの違いを以下の表にまとめました。
オス | メス | |
---|---|---|
毒針 | なし | あり |
巣作り | しない | する |
見た目の違い針 | 顔の一部が黄色い |
顔全体が黒い |
「クマバチ」と「くまんばち」の違い|方言による呼び方の違いだけ
「くまんばち」という言葉を聞いたことはありますか?「くまんばち」は、方言による言い方の違いで、「クマバチ」を意味しています。
つまり、「クマバチ」と「くまんばち」は同じハチです。北海道や関東の一部の地域で「くまんばち」と呼ばれています。
ところが、一部の地域では「オオスズメバチ」のことを「くまんばち」という地域や「おおくまん」とも呼ぶそうです。
地方に行って「くまんばちが居るよ!」と言われた時には、警戒しておいた方が良さそうです。
「クマバチだから大丈夫」と思っていたら、オオスズメバチだった、なんてことになったら大変です。
オオスズメバチは毒性が強く、性格も獰猛です。人が近づいただけで襲ってくるため、すぐに逃げなくてはなりません。
クマバチの巣の特徴|住宅劣化の被害あり
巣は、他の蜂と違った以下のような特徴があります。
・木や竹に穴を掘って作る
・数年同じ巣を使って住み続ける
1つずつ解説していきます。
木や竹に穴を掘って巣を作る
クマバチは強靭な顎を持っており、木や竹に長い穴を掘って巣を作ります。
巣穴の大きさは、1円玉(直径2cm)くらいの大きさで、ちょうどクマバチの体が通れるほどの大きさしかありません。
枯れ木や腐った木などの柔らかい木を好んで巣を作ります。
クマバチの巣で注意するべきなのは、木造の家の柱に巣を作ってしまう場合があり、そうなった場合は柱の木が穴だらけでスカスカになってしまう点です。
木に巣を作るため、英語で「carpenter bee(カーペンタービー)」大工ハチと呼ばれています。
一度作った巣に数年間、代々住むことがある
クマバチは、メス1匹で巣を作ります。
木に作られた穴の奥は一部屋ずつ分かれており、1つの巣穴に個室が何部屋も並んでいるような状態になっています。
卵は一部屋に1つ産んでいきますが、個室が足りない時には穴をさらに掘り進めていきます。
一度作った巣を代々引き継いで使うこともあります。個室を増設しながら巣を掘り進めていくため、年々穴が深くなってしまいます。
巣は最長40cm。
1つの木に2匹以上のクマバチが、それぞれ巣穴を掘って進んでいくこともあります。
住宅の柱に巣を作った場合、柱に穴が作られてスカスカになっていきます。柱の強度が落ちて、最悪の場合は柱の役目を果たさなくなるでしょう。
クマバチによる被害|住宅劣化・刺される危険
クマバチによって予想される被害は、以下の2点です。
・刺される危険性
・住宅劣化の危険性
詳しく解説していきます。
刺される被害
クマバチは、穏やかな性格をしており、人を刺すことはめったにありません。ですが、私たちの方から気づかぬうちにクマバチを攻撃してしまった場合には刺されることもあるでしょう。
メスだけが毒針を持っており、毒は弱いですが、アレルギーが生じる場合もあるため、一度蜂に刺されたことのある人は注意しましょう。
体が2〜3cmと大きいため、針も太く、刺されたときの痛みは強いです。
自宅の敷地内に巣を作られた場合には、触ったり、誤って攻撃してしまわないように注意しましょう。
住宅などの建物の痛み
家の柱などに巣を作ってしまった場合、柱に深い穴が作られることになります。
クマバチの巣の長さは20cm~最大40cmにもなります。
特に柔らかい木を好んで巣を作ります。
住宅の柱は加工のしやすさや柔軟性から比較的柔らかい木が使われるため、クマバチが巣作りの場に選ぶことがあります。
1シーズンが終わっても、代々巣を使う場合もあるため、放置することで柱が穴だらけになり、柱として機能できなくなる可能性もあるでしょう。
また、柱などの木に穴があけられると、そこから木の劣化が進み、シロアリなどの別の虫の被害が起きることがあります。
家の柱に巣を掘られてしまった時には、そのままにせず、早めに対処しましょう。
クマバチの巣の駆除方法
クマバチの巣は40cmと長く、上下左右に向かって長いため巣の中の様子が分かりません。
巣の中に卵や幼虫がいる可能性があるため、駆除した後にそれらをかき出さなくてはなりません。
柱の中に駆除後の死骸や卵などが残っていると、腐敗して木の劣化の原因にもなるため、巣の処理はプロへ依頼することをおすすめします。
自力でクマバチの巣を駆除できる条件は、巣が短い場合だけです。
自力で巣を駆除する方法
巣の長さが短い場合は自力での駆除が可能です。
作業は蜂が巣に戻っている夜に行います。
①駆除に必要な物をそろえます。
準備物
・厚手の作業服(防護服)
・タオル(首に巻いて使用する)
・厚手の手袋や軍手
・ピンセットや針金
・殺虫剤
②巣穴に殺虫剤のノズルの先端を密着させて、中に向けて噴射します。
・殺虫剤が巣穴全体にいきわたるように上下左右に噴射する
③駆除後は死骸や卵・幼虫をピンセットなどで取り除きます。
・残っていると、腐敗の原因になるため入念にチェックする
④穴をパテなどでふさいでおきます。
・新たなクマバチや他の虫の侵入を防ぐ
⑤寄せ付けない対策を行う
・殺虫剤や木酢液(もくさくえき)を巣作りされそうな場所に散布しておく
・自宅敷地内に木材を置いておかない
まとめ
黒くて体の大きいクマバチですが、性格は穏やかで人が刺される被害はほとんどないことが分かりました。
・クマバチは穏やかな性格で積極的には刺してこない
・クマバチの巣は木や竹に穴を開けて作る
・家の柱に巣を作られた場合は放置は危険
公園などで飛んでいるクマバチを恐れる必要はないということ、私たちが受ける被害は、住宅に巣を掘られてしまった時です。
自宅で巣を見つけた場合にはそのままにせずに、ハチ駆除センターへご相談下さい。
放置することで住宅の劣化が進んでしまいます。まずはお電話をお待ちしています。
0800-170-5762 24時間受付しています。