
ミツバチは性格も穏やかで、ハチミツを作ったり、果実の受粉に貢献するなど私たちの生活に利益をもたらしてくれる『益中』としての役割があります。
ですが、自宅の敷地内に巣を作られてしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
庭や家の中に巣を作られては、困ってしまいますよね。
今回は、自宅にミツバチの巣を作られてしまった時の対処法をお伝えします。
この記事を読めば、ミツバチのことを知ることができ、巣を作られた時にも身の安全を確保できるようになります。
自宅にミツバチの巣を作られた時には、放置は厳禁です。
ミツバチに集団で襲われるリスクや、家屋を汚してしまう危険性があります。
大きさ | 1.2~1.5cm |
体の特徴 | ・黄色と黒のしま模様 ・全体に毛が生えている |
性格 | ・穏やか ・攻撃されなければ刺さない |
巣の特徴 | ・板状で、垂れ下がった形 ・蜜で黄色く染まっている |
巣の規模 | ・小さい巣で3千匹 ・大きい巣5万匹 ・板状の巣が10枚以上になることもある |
巣を作る場所 | 閉鎖的な空間に作る |
活動時期 | 3~11月 |
ミツバチに巣を作られた時の対処法|2つのパターン
自宅の敷地内にミツバチの巣を作られた場合、対処の方法が2つあります。
1つは蜂駆除業者へ依頼すること。
もう1つは養蜂場へ回収依頼をすることです。
順番に説明していきます。
蜂駆除のプロへ巣の駆除をお願いする|安全かつ確実に撤去

ミツバチの巣の駆除は、蜂駆除業者へ依頼することをおすすめします。
理由は、以下の通りです。
- ・ミツバチは女王蜂1匹で行動する期間がないため、常に集団行動している。
- ・ミツバチの巣は、蜜で満たされているため、巣を撤去する際に周囲を汚染してしまう。
- ・閉鎖的な空間に巣を作ることが多いため、駆除作業自体が難しい。
上記の理由から、自力でミツバチの巣を駆除することはおすすめできません。
ミツバチの巣の駆除は、蜂駆除業者に任せましょう。
ハチ駆除センターは、現地で見積もりを行います。費用に不安がある方も、見積もりをしてから作業を始めるためご安心ください。
養蜂場へ連絡し、ミツバチの巣を回収してもらう
養蜂場でミツバチを回収してくれる場合があります。
ミツバチの益虫としての役割を尊重し、生きたまま巣を移動させてくれます。
近年、養蜂場自体も減少傾向にあり、お住まいの地域が回収対象になっているかは養蜂場に問い合わせて確認する必要があります。
養蜂家さんの日程調整も必要になるため、「すぐにどうにかしたい」人には不向きかもしれません。
費用は各養蜂場により異なります。
ミツバチの特徴

体長 | 1.2~1.5cm |
体の特徴 | ・黄色と黒のしま模様 ・全体に毛が生えている |
性格 | 穏やか |
他の蜂との違い | ・1度刺すと死んでしまう ・女王蜂以外の蜂も冬を越えることができる |
体の特徴|ミツバチは小柄
ミツバチは他の蜂と比べて1.5cm程度と小柄な蜂です。
(スズメバチの大きさは2~4cm程度)
黄色と黒のしま模様が特徴的。
全身に毛が生えていて、コロンと丸っこいフォルムをしています。
性格|ミツバチは穏やか
ミツバチの性格は穏やかで、スズメバチの様に攻撃的ではありません。
ただ、ミツバチが「攻撃された!」と感じた時には刺すこともあります。
冬眠から覚めたばかりの3月と、冬に入る前の10~11月は、刺激に敏感になり、他の時期よりも攻撃的になります。
この時期は特に気をつけましょう。
ミツバチの役割

私たちは、ミツバチの恩恵を受けています。
ハチミツや蜜ろう、ロイヤルゼリーなどをミツバチが作ります。
また、果物や花などの受粉に大役を担っています。
ミツバチが花粉を集める行動が、受粉させる行動となっています。
そのため、ミツバチがいないと受粉には人工的な肯定が必要になったり、ハチミツや蜜ろうなどの入手ができなくなります。
ミツバチの恩恵を受けている物の例
・蜜ろう → せっけんやリップクリーム、化粧品、ろうそく、クレヨン、床のワックス材など
・ローヤルゼリー → サプリメントやヘアケア製品、美容液
・ハチミツ → 食用
蜜ろう

ミツバチは毒針を刺すと死んでしまう
ミツバチは、毒針を一度刺すと死んでしまいます。
ミツバチの針には『返し』が付いていて、針を人に刺すと針が抜けずにミツバチの体から針がちぎれて死んでしまうのです。
そのため、攻撃された時以外は滅多に刺すことはありません。
1匹が刺すと、集団で襲ってくるミツバチ

ミツバチは1匹が人を刺すと、他のミツバチも応援に駆けつけて集団で襲いかかります。
毒針を刺した時に、においを発するため仲間が集まってくるのです。
大きい巣では、5万匹のミツバチが1つの巣で暮らしています。
毒が弱いミツバチですが、5万匹のミツバチに一気に刺されれば、大量の毒を受けることになります。
アレルギー反応が起き、アナフィラキシーショック状態となり、最悪の場合には死に至ります。
アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応が引き起こすショック状態のことで、
- ・蕁麻疹
- ・下痢
- ・嘔吐
- ・血圧の低下
- ・呼吸困難
などの症状が起きることです。このような症状が起きた時はすぐに病院へ連絡し、受診するようにしましょう。
活動する時期は?3月~11月
ミツバチの他の蜂との違いは、女王蜂以外の蜂も冬を越えて生存できるということです。
スズメバチやアシナガバチは、次の年の新女王蜂のみが巣から出て冬眠をします。他の働き蜂はみんな死んでしまうのです。
ところがミツバチは、女王蜂と一緒に働き蜂も冬眠して冬を越えることができます。
3月の巣作りを始める時期から働き蜂と女王蜂は常に行動を共にしています。
そのため、ミツバチの巣の駆除は自力で行うことはおすすめできません。
自力での蜂の巣駆除は、巣の作り始めの時期であれば安全にできる可能性がありますが、ミツバチの場合は、蜜を集めに出かけていた大量の働き蜂に襲われてしまう危険があります。
ミツバチ以外の蜂の巣作り初期の駆除の仕方はこちらの記事をご参照ください。
巣を作る場所
ミツバチが好んで巣を作る場所は、閉鎖的な空間です。例えば、
- ・屋根裏
- ・床下
- ・換気扇フードの内側
- ・倉庫や物置
- ・壁のすき間
- ・木の穴
などです。
必ずしも上記のような閉鎖的な空間とは限りません。まれに開放的な空間(軒下や木の枝など)に作ることもあります。
「最近ミツバチが頻繁に飛んでいて巣を作られた?でもどこにあるか分からない」という場合には、蜂駆除業者に巣を探してもらうのがおすすめです。
ハチ駆除センターは、蜂の巣駆除のプロです。家屋に作られてしまったミツバチの巣を数多く駆除しています。
巣が見つけられない場合でも、ご相談ください。現地で巣の場所を確認いたします。
ミツバチの巣の特徴

ミツバチの巣は板状で、垂れ下がった形が特徴的です。
巣の色は、蜜で黄色く染まっており、蜜がまだないときは、白っぽい色をしています。
巣の規模が大きくなってくると、垂れ下がった板状の巣が10枚にも連なります。

小さい巣で3千匹、大きい巣だと5万匹ものミツバチが生息しています。
また、ミツバチは5~6月頃に集団で巣の引っ越しをする習性があります。
これを『分蜂(ぶんぽう)』といいます。
巣に住んでいる半分の働き蜂と元々の女王蜂が巣から出ます。
新しい女王蜂に巣を譲るためです。
この時、半分の食料(蜜)を持って引っ越しをします。
引っ越しの途中、木の枝などに大量のミツバチが休憩することがあります。
巣を作る場所を探している途中なので、そっとしておきましょう。

巣を見つけた時の注意すべきこと
性格は穏やかなミツバチですが、まれに人を刺すことがあります。
冬眠から覚めたばかりの3月やエサが減る10~11月は、刺激に敏感になる時期です。
巣を見つけても決して近づかないようにしましょう。
以下に注意点をまとめました。
- ・刺激を与えない(香水や柔軟剤のにおいに注意)
- ・近づかない
- ・放置しない
放置したらどうなる?駆除は必要?
ミツバチには多くの恩恵を受けており、性格も穏やかなため、巣を作られてもそのままそっとしておいてあげたい気持ちが出てきますよね。
ですが、自宅の敷地内や家の中に巣を作られてしまった場合には巣を駆除する必要があります。
刺される危険性
「性格が穏やかだから放っておいても大丈夫」と思っても、自宅の敷地内に巣があると草刈りなどの庭仕事中に誤ってミツバチを攻撃してしまうリスクは避けられません。
ミツバチは1匹が刺すと集団で襲う習性があります。
自宅に作られた巣に数千〜数万の蜂が待機していたら、大量に刺されてしまいます。
ミツバチの毒は弱いですが、集団で刺されればアレルギー反応を起こします。
呼吸困難や吐き気などのアナフィラキシーショックが起こり、最悪の場合死に至る恐ろしさがあります。
もしミツバチに刺されたら、以下の行動を取ってください。
- ・すぐにその場を離れる(ミツバチの集団が襲ってくる前に逃げる)
- ・針をピンセットで抜き取る
- ・刺された箇所の毒をつまんで絞り出す(できるだけ毒を体外へ出す)
- ・流水で洗い流す
- ・患部を冷やす
- ・抗ヒスタミン剤があれば塗る
- ・必要があれば病院を受診する
害虫が寄ってくる
ミツバチは巣に蜜を蓄えます。
蜜の甘い匂いに誘われてゴキブリなどの虫を引き寄せます。
またミツバチを食べる蜂もいます。オオスズメバチなどの危険な蜂が自宅にやってきてしまう可能性があるのです。
オオスズメバチに襲われたミツバチの巣は、周囲にミツバチの死骸が散乱します。
襲われたミツバチの死骸を求めて更に虫がやってきます。
家が汚染されて痛む
ミツバチが集めてきた蜜が、巣から漏れ出てしまい、家屋を汚染してしまうことがあります。
床下や屋根裏で巣を作られた場合、カビが生えたり腐ってしまうのです。
また、ミツバチのふんでも汚染に悩まされることがあります。
ミツバチは白いものの上に、飛びながら排泄する習性があるため、洗濯物や車の上に大量のふんをされてしまうことがあります。
ふんの大きさは数mm程度ですが、数千~数万のふんがまき散らされるとせっかくの洗濯物が台無しになってしまいます。
まとめ
ミツバチは穏やかな性格で、私たちに多くの利益をもたらしてくれている益虫です。
しかし、自宅の敷地内や家の中に巣を作られてしまった場合には、多くの不利益が起きるため駆除しなくてはなりません。
集団でミツバチに刺されるリスクや家屋の汚染、オオスズメバチなどの危険な蜂が飛んでくる可能性もあります。
そのため、ミツバチに巣を作られた場合は放置はせずに駆除する必要があります。
ミツバチの巣には常に働き蜂が存在しているため、自力での駆除は危険です。
蜂駆除業者に依頼して、安全・確実に駆除を行いましょう。
ミツバチの巣の駆除はハチ駆除センターにご相談ください。
記事監修者コメント
ハチの巣駆除は、ご自身での対応が非常に危険なケースが多く、特にスズメバチは命に関わる事故につながることもあります。私はこれまで15年以上にわたって全国で蜂駆除の現場に携わってきましたが、近年は住宅密集地や高齢者の多い地域での被害が増えている印象です。
正しい知識と装備がないまま巣に近づくのは非常にリスクが高いため、異変を感じたらまずは専門業者にご相談ください。当社では、駆除作業の前に蜂の種類や巣の状況を正確に見極め、適切な方法と料金をご提案しております。安心・安全な暮らしを守るために、信頼できるプロの対応をおすすめします。
監修者プロフィール
監修者:ハチ駆除センター N.S
保有資格:防除作業監督者、ペストコントロール技術者(2級)、第二種電気工事士
業界経験:害虫・害獣駆除業界歴15年/蜂の巣駆除対応数3,000件以上