
住宅地に巣を作るアシナガバチ。
「アシナガバチってどんな蜂?」「スズメバチと違うの?」
名前は聞いたことあるけど、実際にはどんな蜂かよく分からないですよね。
今回は、アシナガバチの特徴やスズメバチとの違いを解説します。
この記事を読めば、アシナガバチに巣を作られたとき、正しい行動ができるようになります。
アシナガバチは基本的には穏やかな性格をしています。ですが、自宅の敷地内に巣を作られてしまった場合には、刺されることがあるため巣を駆除しましょう。
アシナガバチの特徴
アシナガバチは、基本的には穏やかな性格をしています。
刺激しなければ人を攻撃することはありません。
アシナガバチは、農作物や樹木に着いてしまう毛虫などの害虫を食べてくれます。
また、花や果実の受粉を促す役割も担っており、私たちに利益をもたらしてくれる『益虫』としての役割があります。
黄色と黒のしま模様が体にあり、長い後ろ足をぶらんと下げて飛ぶ姿が特徴的です。
体の大きさは、1.2~2.6cm程度。
毒の成分はスズメバチよりは弱いですが、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。
刺された時の痛みはスズメバチと同じくらいか、それ以上痛いともいわれています。
アシナガバチの種類は11種類|身近な3種類を解説
日本に生息しているアシナガバチは11種類おり、住宅地近くに巣を作るのは以下の3種類です。
種類
大きさ
特徴
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セグロアシナガバチ
出典:森林総合研究所
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2.0~2.6cm
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・日本で最も大きいアシナガバチ(キアシナガバチとともに)
・1つの巣にいる働き蜂は最大で50匹程度
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キアシナガバチ
出典:森林総合研究所
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2.0~2.6cm
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・日本のアシナガバチの中で最も攻撃性と毒性が強い
・1つの巣にいる働き蜂は最大で50匹程度
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フタモンアシナガバチ
出典:森林総合研究所
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1.2~1.8cm
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1つの巣にいる働き蜂は最大で100匹
巣の特徴|アシナガバチの巣はお椀のような形
アシナガバチの巣は、巣穴がむき出しで、お椀のような形をしています。

シャワーヘッドの形に似ているとも言われています。
アシナガバチは、軒下やベランダ、木の枝などの開放的な空間に巣を作ります。
巣の大きさは最大で15cm程度です。
スズメバチやミツバチの巣は最大で1mほどになるため、比較すると小ぶりです。
巣に生息している蜂の数も最大50~100匹と、スズメバチ・ミツバチの数千~数万という数と比べると少ないことが特徴です。
アシナガバチの活動サイクル
4~5月 | 女王蜂が冬眠から目覚める。1匹で巣作りを始める。 |
6月 | 女王蜂が巣に産卵する |
7月 | 働き蜂が生まれ、巣作り・幼虫の世話をする。 女王蜂は産卵のみ行う。 |
8月 | 巣の大きさが最大化。 攻撃的になる。 |
9~10月 | 新女王蜂とオス蜂が生まれる。 |
11月 | 新女王蜂以外の蜂は寿命を迎えて死んでしまう。 新女王蜂は、冬眠のため巣から出て木の間や空のスズメバチの巣などで暖をとり、冬を越える。 |
アシナガバチはスズメバチの仲間?違いを解説
アシナガバチとスズメバチは模様が似ているため、見間違えてしまうことがあります。
ですが、アシナガバチとスズメバチでは性格や危険性が異なります。
アシナガバチだと思っていたら、スズメバチだった!なんてことがあっては大変です。
危険性
特徴
巣の形
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アシナガバチ
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・穏やかな性格
・攻撃しなければ刺すことない -
・長い脚をだらんと下げて飛ぶ
・細い体 -
・お椀様の形
・巣穴が見える
-
スズメバチ
-
・凶暴な性格
・巣に近づいただけで刺すこともある -
・羽音が大きい
・太めの体 -
・球体
・巣穴が見えない
巣を作られたらどうする?放置は危険!
アシナガバチは穏やかで、巣の近くを通ったくらいでは攻撃してきません。
ですが、自宅の敷地内に巣を作られてしまった場合は危険です。
放置することで以下のような危険性が高まります。
- ・刺されるリスク
- ・ご近所トラブルに発展するリスク
- ・スズメバチを呼び寄せるリスク
一つずつ説明していきます。
アシナガバチに刺されるリスク!巣があったら危険

こちらから攻撃しているつもりはなくても、庭仕事中に誤って巣に触れてしまったり、草刈り中に蜂を刺激してしまって刺されるなど、アシナガバチに刺される事故が起きています。
庭仕事中以外にも、洗濯物にアシナガバチが付いていて取り込んだ際に刺されたり、ベランダのサンダルの中にアシナガバチが潜んでいて刺されてしまうこともあります。
自宅の敷地内に巣を作られた時には、気が付いた段階で速やかに巣の駆除を行いましょう。
アシナガバチは主に、開放的な空間に巣を作ります。
- ・軒下
- ・ベランダ
- ・木の枝
などです。
アシナガバチの巣がご近所トラブルの元になる?!
アシナガバチは半径100mほどの距離で餌をとります。
自宅に巣があると、「あの家の蜂に刺された!」などと言われてしまい、トラブルになることがあります。
アシナガバチの毒はスズメバチの毒より弱いものの、刺されればアレルギー反応が起きます。
一度刺されたことのある人は、2回目以降、アナフィラキシーショックを起こす場合があります。蜂に刺されたことのある人は、近所に蜂の巣があれば、より敏感になるでしょう。
トラブルを避けるためにも、自宅に巣を作られたら、駆除しなくてはなりません。
スズメバチを呼び寄せる!アシナガバチを食べるスズメバチ
スズメバチの中には、アシナガバチの幼虫を食べる種類もいます。
アシナガバチの幼虫を狙って、スズメバチが自宅に寄ってきてしまうリスクがあります。
スズメバチがアシナガバチの巣を襲うと、巣の幼虫を食べつくすまで何度もアシナガバチの巣と自分の巣を往復します。
スズメバチを刺激してしまうと、刺されてしまう可能性があります。
スズメバチの危険性はこちらの記事を参考にしてください。
自力での駆除は小さいうちに行う!アシナガバチの巣駆除方法
アシナガバチの巣を駆除する時に、業者に頼むか自分で駆除するか悩むかと思います。
ですが、自分で駆除する場合には条件があります。
- ・巣の大きさが6cm未満
- ・手の届く高さに作られた巣
一つずつ説明していきます。
巣の大きさは蜂の数を表している!?大きくなるほど自力での駆除は危険!
アシナガバチの巣の作り始めは、女王蜂1匹だけが生息しています。
この時期であれば、自力での巣の駆除が可能です。
生息しているのが、女王蜂一匹であれば駆除の途中で働き蜂に襲われる危険がないからです。
巣の大きさは小さくても、働き蜂が活動を開始していたら自力での駆除は控えます。
アシナガバチは穏やかな性格ですが、巣を駆除される状況下では巣を守ろうと、刺してくるでしょう。
自力で蜂の巣を駆除する方法について、簡単に説明します。
作業の流れ
①巣の状態を確認する。
蜂の数を確認します。巣にいる蜂の数が分からない場合には、周囲を軽く叩くと蜂が出てきます。(確認作業は昼間に行います)
②日没後2〜3時間後に作業を開始。
③殺虫剤を吹きかける。
1〜2mの距離から巣の入り口に向けてスプレーを噴射し続けます。風の向きに注意。
④巣を除去する。
蜂の羽音が聞こえなくなったら、蜂の巣を落とします。
⑤袋の中に巣を入れ、再度スプレーする。
ゴミ袋の中の巣にも殺虫剤をスプレーしておきます。袋をよく閉じ、ゴミとして処分します。
詳しい駆除の方法や、準備物などはこちらの記事を参考にしてください。
巣の場所は重要!高い所や狭い場所の駆除は刺される危険あり

アシナガバチの巣を自力で駆除しようとする時には、巣が作られた場所がどこなのかが重要になります。
脚立を使うような高い場所に巣がある場合、駆除の途中で逃げ遅れて蜂に刺されてしまいます。
ベランダのような逃げ場がない場所も危険です。
そのような場所に巣が作られた場合には、駆除業者に依頼しましょう。
ハチ駆除センターは安心価格で蜂の巣駆除を行います。
作業に入る前に必ず見積もりを取るため、お客様が納得してから作業に進みます。まずは電話で相談してみましょう。
アシナガバチに刺されないための対策
原則、自宅で巣を見つけた場合には速やかに駆除を行います。
とはいえ、夏から秋の駆除業者の繁忙期になるとすぐには駆除できない場合があります。
駆除までの間、蜂に刺されないように気を付けなければいけないポイントをまとめました。
- ・巣に近づかない
- ・巣に刺激を与えない
- ・大きな物音を立てない
- ・黒い服を着ない(できるだけ白っぽい服を選ぶ)
- ・髪の毛を隠すため帽子を被る
- ・柔軟剤や香水などの甘い匂いを身に着けない
業者に依頼して安全にアシナガバチの巣を駆除する!

安全・確実に巣を駆除するにはプロへ依頼しましょう。
スズメバチよりは毒性が弱いといわれるアシナガバチですが、蜂に一度刺されたことがあると強いアレルギー反応が起きてショック状態になる場合があります。
男性が除草作業中にアシナガバチに刺されて死亡した事例も…
最悪の事態を招かないためにも、巣の駆除に少しでも不安がある場合には駆除業者に相談をしましょう。
まとめ
アシナガバチは穏やかな性格で、スズメバチと比べると危険性は少ないことが分かりました。
ですが、自宅の敷地内に巣がある場合には『刺されるリスク』『ご近所トラブルに発展するリスク』『スズメバチが来るリスク』があるため、速やかに駆除する必要があります。
巣が6cm未満で女王蜂しかいない巣で、手の届く位置に巣がある場合以外は、蜂のプロに駆除を依頼しましょう。
ハチ駆除センターは、安心・確実に蜂の巣を駆除いたします。
作業に入る前に必ず見積もりを取るため、お客様が納得してから作業に進みます。まずは電話で相談してみましょう。
記事監修者コメント
ハチの巣駆除は、ご自身での対応が非常に危険なケースが多く、特にスズメバチは命に関わる事故につながることもあります。私はこれまで15年以上にわたって全国で蜂駆除の現場に携わってきましたが、近年は住宅密集地や高齢者の多い地域での被害が増えている印象です。
正しい知識と装備がないまま巣に近づくのは非常にリスクが高いため、異変を感じたらまずは専門業者にご相談ください。当社では、駆除作業の前に蜂の種類や巣の状況を正確に見極め、適切な方法と料金をご提案しております。安心・安全な暮らしを守るために、信頼できるプロの対応をおすすめします。
監修者プロフィール
監修者:ハチ駆除センター N.S
保有資格:防除作業監督者、ペストコントロール技術者(2級)、第二種電気工事士
業界経験:害虫・害獣駆除業界歴15年/蜂の巣駆除対応数3,000件以上