スズメバチの天敵で駆除できる?蜂を寄せ付けないための方法と刺されないための対策
獰猛で、危険な毒を持つスズメバチにも、天敵がいます。
「スズメバチが巣を作らないように天敵を置いておけばいいんじゃないの?」
「スズメバチの天敵に巣を駆除してもらえないかな?」
天敵を活用してスズメバチを寄せ付けない、さらには駆除まで出来たら、私たち人間が命の危険を冒してまで蜂の巣を駆除する必要はないですよね。
この記事では、数多くのスズメバチを駆除してきたハチ駆除センターがスズメバチの天敵を蜂の巣駆除に活用できるかを解説していきます。
結論から言うと、天敵をスズメバチの駆除に利用はできません。
スズメバチとは?その危険性と特徴
スズメバチは攻撃的で強い毒を持つ蜂です。
特にオオスズメバチやキイロスズメバチは非常に危険で、春から秋にかけて活発に活動し、巣を作ります。巣は木の枝や建物の軒下に作る種類もいれば、土の中や木の穴の中に巣を作る種類のスズメバチもいます。
スズメバチは獰猛な性格で、巣に音や振動などの刺激が伝わると住処を守ろうと攻撃的になり、敵に襲いかかります。
刺されると激しい痛みと腫れが起こり、さらにアレルギー症状が起きる場合があります。
気分不快感や腹痛などが起こり、アナフィラキシーショックに進行する場合があります。
アナフィラキシーショックは、アレルギー反応が急速に全身に広がり、血圧低下や呼吸困難を考える危険な状態です。
血圧が大幅に低下し、呼吸困難や意識障害が起きる場合があり、命に関わることもあるため、すぐに医師の診察を受けることが重要です。
スズメバチを見かけたら刺激しないように静かにその場を離れ、安全な場所に移動した後、専門の駆除業者に連絡しましょう。
巣は放置すると夏に向けて巨大化し、危険度が増すため、早めの対応が重要です。
スズメバチの種類についてはこちらの記事を参考にして下さい。
スズメバチの天敵とは?駆除には有用ではない
スズメバチには多くの天敵が存在しますが、これらの天敵を利用してスズメバチを排除するのは現実的ではありません。
昆虫 | ・カマキリ ・オニヤンマ ・アブ ・蜂 |
クモ | ・アシダカグモ ・ジョロウグモ ・コガネグモ |
クマ | ・ヒグマ ・ツキノワグマ |
鳥 | ・ハチクマ ・モズ |
上記のようにスズメバチの天敵は数多く存在しています。
どれもスズメバチにとっては強敵ではありますが、スズメバチ駆除の観点では利用はできません。理由を種類ごとに解説していきます。
カマキリ:スズメバチを捕食する強力な捕食者
カマキリは、カマキリは肉食の昆虫でスズメバチを食べる天敵です。特に大きなカマキリは、強力な前脚でスズメバチを捕まえ、食べてしまいます。
カマキリはスズメバチにとって強敵の天敵ですが、カマキリだけでスズメバチをたくさん減らすのは難しいため、スズメバチ駆除には利用できません。
オニヤンマ:スズメバチを狙う大型捕食者
オニヤンマは日本最大のトンボで、スズメバチを捕食する天敵といえるでしょう。
オニヤンマは強力な飛行能力と鋭敏な視覚を持ち、空中でスズメバチを捉えます。
オニヤンマは一度に大量のスズメバチの捕食はしないため、オニヤンマを使って意図的にスズメバチを駆除するのは現実的ではありません。
クモ:粘着力のある巣で捕まえる
クモは大きな巣を作り、そこにスズメバチが引っかかると捕食します。クモの巣は非常に粘着力があり、一度捕まると逃れるのが難しいため、スズメバチも捕らわれてしまいます。
スズメバチは力が強く、クモの巣を突き破れそうですが、ジョロウグモ、コガネグモの巣はスズメバチの力があっても逃げられないのです。
アシダカグモは巣を張らずに、強靭な顎で直接襲い掛かります。アシダカグモは様々な昆虫を捉え、スズメバチも捉えて食べます。
しかし、これらのクモがスズメバチの個体数を大幅に減らすことはできないため、スズメバチ駆除のためには別の対策が必要です。
アシナガバチ:スズメバチの幼虫を餌にする
アシナガバチは、スズメバチの幼虫を食べます。
アシナガバチは益虫と言われ、人間に利益をもたらす蜂ではありますが、毒針を持っており刺されることでアレルギー症状が起きることがあります。
スズメバチの駆除のために、アシナガバチを連れてきても、アシナガバチにも毒があり危険です。
ヒグマ・ツキノワグマ:巣を丸ごと食べ尽くす
ヒグマやツキノワグマは、スズメバチの成虫、幼虫、さなぎ、巣の本体をすべて食べ尽くすため、スズメバチにとっては強力な天敵です。
クマは厚い皮膚と硬い毛で覆われているため、スズメバチの毒針攻撃を受けても針を通しません。
ですが、クマは人間に対しても猛威を振るうため、スズメバチ駆除にクマを利用することは現実的ではありません。
モズ・ハチクマ:空中でスズメバチを捕食する鳥類
モズは、小動物の他に虫やスズメバチを捕食することもあります。ですがモズは小型の鳥で、一度に大量に食べる訳ではないため、スズメバチの駆除には利用できません。
ハチクマは蜂を主食とするタカの一種で、スズメバチの巣を根元から外して巣へ持ち帰り、幼虫を食べてしまいます。
スズメバチにとっては強敵ですが、ハチクマは個体数が減少している絶滅危惧種に指定されています。ハチクマは保護の対象であり、スズメバチ駆除には利用できません。
スズメバチの巣を見つけたらどうする?
・巣の状態を確認する
・自分で駆除する危険性
・専門業者に連絡するべき理由
巣の状態を確認する
スズメバチの巣を見つけたら、位置・形・大きさを確認しましょう。
巣の状態を把握しておくことは、安全確保のために重要です。
スズメバチの巣は家の軒下や木の枝、物置の中などに作られることが多いです。
巣を観察するときは近づきすぎず、離れた場所から静かに観察し、巣の形や大きさを確認しましょう。
蜂の巣の見分け方についてはこちらの記事を参考にしてください。
自分で駆除する危険性|スズメバチ駆除は業者へ依頼が第一選択
スズメバチの巣を自分で駆除するのは危険です。
巣に近づいたり刺激を与えたりすると、大量のスズメバチが一斉に攻撃してきます。
スズメバチに刺されると、痛みや腫れが生じる以外にも、アナフィラキシーショックという重いアレルギー反応が起こることがあります。
アナフィラキシーショックは命に関わることもあるため、非常に危険です。
一度蜂に刺されたことがある人は強いアレルギー症状が出る可能性が高く、初めて刺された場合でも一度に複数の蜂に刺されたときにはアレルギー症状が強く出る場合があります。
蜂駆除業者が防護服の上から蜂に刺されて死亡した事例があるほど、蜂の駆除は危険です。防護服を着ていても、蜂の針は防護服を貫通して皮膚に到達することもあります。
防護服と皮膚との間に十分な空間が必要です。夏場は汗をかいて服が皮膚に密着してしまいやすいため、蜂の毒針が皮膚まで到達しやすいのです。
スズメバチの巣をみつけたら、信頼できる蜂の巣駆除の専門業者へ対処を依頼しましょう。
スズメバチに刺されないためのポイント
スズメバチの天敵は自然界の生物のため、蜂駆除への利用は困難であると分かりましたが、スズメバチに刺されないために有効なポイントを紹介します。
・黒い服や物を身に着けない
・柔軟剤や香水、汗の匂いに注意する
・大声や大げさな動きはしない
ひとつずつ説明していきます。
黒い服や物を身に着けない
スズメバチは、黒い色を選択的に攻撃します。スズメバチが黒い色を襲う理由は、スズメバチの天敵であるクマが黒い色をしているからと言われています。
そのため、黒い服を着るよりは、白い服を着る方が安全と言えるでしょう。服だけでなく、髪の毛やカバン、靴などの色にも注意が必要です。
スズメバチに遭遇しやすい場所、山や林などの自然が多い場所へ行く時は、黒い物を身に着けないようにしましょう。
柔軟剤や香水、汗の匂いに注意する
柔軟剤や香水、汗の匂いには注意しましょう。理由は、スズメバチは強い匂いに引き寄せられる習性があるからです。
特に甘い香りはスズメバチを引き寄せやすいので、森や林などの自然が多い場所へ外出する時は控えましょう。汗の匂いも同様にスズメバチが寄ってくる原因となるため、清潔を保ちましょう。
まとめ
スズメバチの天敵は数多く存在しますが、天敵を利用してスズメバチを駆除するのは現実的ではありません。
巣を見つけた場合、自力で駆除するのは非常に危険です。スズメバチの毒は強力で刺されると命の危険もあるからです。
安全を確保するために、スズメバチの駆除はハチ駆除センターにご連絡下さい。お問い合わせフォームまたはお電話で現在の状況をお知らせ下さい。