
「蜂の巣があるけど、なに蜂?」
「蜂の巣」と言っても危険な蜂から比較的安全な蜂まで様々です。
蜂の巣駆除には危険が伴い、費用もかかります。
放置しても良い蜂の巣であれば、無駄な労力はかけたくないですよね。
ですが、作られた巣が危険な蜂だった場合、放置すると自分や家族、近隣住民が刺されてしまう可能性があります。
今回は、年間数万件の蜂の巣を駆除しているハチ駆除センターが、写真で見て分かる蜂の巣の見分け方について説明していきます。
この記事を読めば、作られた蜂の巣が危険なものか、それとも安全なものかの判断ができるようになります。
写真で解説!巣を見て分かる、蜂の種類の見分け方
私たちの身近な場所に巣を作る蜂の代表を解説していきます。
以下の表は蜂の巣の一覧です。
自宅近くに作られた巣の様子と似ているものがあれば、対応の参考にしてください。
スズメバチの巣
初期のスズメバチの巣
初期のコガタスズメバチの巣
巨大化したスズメバチの巣
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巣の上に傘の様な形
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トックリの様な形
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マーブル模様の球体
アシナガバチの巣
初期のアシナガバチの巣
中期のアシナガバチの巣
完成したアシナガバチの巣
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巣作り中の女王蜂
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シャワーヘッドの様な形
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直径15cm程度
ミツバチの巣
養蜂場のミツバチの巣
引っ越し(分蜂)中のミツバチ
巨大化したミツバチの巣
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養蜂場では巣箱に巣を作る
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木の枝に集団で留まるミツバチ
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直板状の巣が連なる
その他の蜂の巣
クマバチの巣
ドロバチの巣
ジガバチの巣
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木に約2cm大の穴を開ける
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泥で小さな巣を作る
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アリの巣の様に土に穴を掘る
それでは、一つずつ見ていきましょう。
スズメバチの見分け方|マーブル模様の球体にはご用心
多くのスズメバチの巣は、マーブル模様で丸い形をしていますが、初期の巣は、球体ではなく、小さな巣の上に傘があるような形をしています。
スズメバチの巣の大きさは、最大直径1mにもなります。
巣では最大で数千匹〜数万匹のスズメバチが集団生活をしています。
▼スズメバチの巣(完成形)

▼スズメバチの巣(初期)下から見た写真

▼スズメバチの巣(初期)横から見た写真

そして、スズメバチの中でもコガタスズメバチの初期の巣はトックリの様な形をしているのが特徴です。
▼コガタスズメバチの初期の巣

軒下や木の枝などの開放的な場所に巣を作るスズメバチがいる一方で、土の中や木に開いた穴などの、閉鎖的で、パッと見ただけでは分からない場所に巣を作る種類のスズメバチもいます。
スズメバチの種類 | 巣を作る場所 | 巣の見た目 |
---|---|---|
オオスズメバチ チャイロスズメバチ クロスズメバチ | 土の中、木の穴、木の根元など | 周囲と同化して巣だと気づかない |
ヒメスズメバチ モンスズメバチ | 木の穴、屋根裏、壁の隙間、倉庫の中、換気扇、床下など | (初期)巣に傘をさした形 (巨大化)マーブル模様の球体 |
コガタスズメバチ | 軒下、木の枝など | (初期)トックリの様な形 (巨大化)マーブル模様の球体 |
キイロスズメバチ | (初期)茂みの中、木の穴、屋根裏、倉庫の中など (巨大化)軒下、木の枝など | (初期)巣に傘をさした形 (巨大化)マーブル模様の球体 |
ツマグロスズメバチ | 木の枝、葉など | (初期)トックリの様な形 (巨大化)マーブル模様の球体 |
ツマアカスズメバチ | (初期)茂みの中、木の穴、屋根裏、倉庫の中など (巨大化)軒下、木の枝など | マーブル模様の球体だが、表面に凸凹がある |
スズメバチの巣に共通しているのは、「巣穴が1つしかなく、幼虫や餌などは外からは見えない」点です。
スズメバチは、毒の量が多く、毒性が強いため、最も危険な蜂として位置づけられています。
スズメバチの中でもオオスズメバチは危険度NO.1といわれています。
オオスズメバチの巣は、多くの場合土の中に巣を作り、草むらや茂みの中、土手や山の中などに生息しています。
パっと見ただけでは巣があるとは気が付かず、知らぬ間に巣に近づいてしまい刺される被害が起きてます。
山でのハイキングや草刈り、草むらへ入る場合には、蜂が周囲を飛んでいないかをよく観察する必要があります。
オオスズメバチは最大で500匹ほどの集団となります。巣を踏んでしまって一斉に襲われたとしたら…考えただけでもゾッとしてしまいます。
その他のスズメバチについてはこちらの記事を参考にしてください。
スズメバチの巣を自宅の敷地内や日常的に利用する場所で見つけた場合には、業者に駆除依頼の連絡をしましょう。
スズメバチは獰猛な性格をしており、夏〜秋に向けて巣はどんどん巨大化していきます。
放置すると周囲の人に危険が及ぶため、迅速に行動していきましょう。
スズメバチは刺された時のリスクを考慮して、自力での駆除はおすすめしておりません。専門家へ駆除を依頼しましょう。
アシナガバチの見分け方|巣が小さくても危険な種類も
アシナガバチの巣は最大直径が15cm程度と、他の蜂と比べると規模の小さい巣を作ります。
シャワーヘッドの様な形をしており、ハスのように巣穴が見えているのが特徴です。

幼虫が外からは見えないスズメバチとは対照的に、アシナガバチの巣は巣穴が全て露出しており、中の幼虫が観察できます。
巣には最大で100匹の蜂が暮らします。
アシナガバチは、スズメバチと比べると穏やかな性格をしており、こちらから刺激しなければ刺してはきません。
ですが、刺激は音や振動で伝わり、私たちの意図せず刺激してしまうことがあります。
アシナガバチの巣が庭などの身近な場所にある場合には、必ず駆除しておきましょう。
草刈り中に音や振動でアシナガバチの巣に刺激を与えてしまい、刺されて死亡する事例があるほど、アシナガバチの毒は危険です。
「アシナガバチだから大丈夫!」と侮らず、駆除しておきましょう。
アシナガバチの巣は、以下の項目に当てはまる場合のみ自力での駆除が可能です。
- ・巣の大きさが6cm未満
- ・働き蜂は羽化していない
- ・地面に足を着けて手の届く場所に巣がある
アシナガバチの巣の駆除については、こちらの記事で詳しく説明しています。
ミツバチの見分け方|板が連なった形の巣
ミツバチの巣は、板が連なったような形をしています。

ミツバチの巣は蜜で黄色く染まっていますが、蜜がない時は白い色をしています。
ミツバチは自ら人を襲うことはありませんが、ミツバチが危険を感じると人を刺すことがあります。
ミツバチも、量は少ないですが蜂毒を持っており、アレルギーを引き起こす場合があります。
ミツバチの怖さは集団攻撃です。ミツバチの巣は最大で1mもの大きさになり、数千〜数万匹のミツバチが集団で過ごします。
一匹のミツバチが人を刺すと、仲間のミツバチが応援に駆け付けて一斉攻撃を始めます。
ミツバチは一度毒針で刺すと、針が体からちぎれて死んでしまいます。これは、ミツバチの針には返しが付いており、簡単には抜けないような構造になっているからです。
ミツバチが人を刺し、針と体がちぎれた時に蜜の匂いが発せられるため仲間のミツバチが異変に気が付いて集団攻撃をします。
ミツバチに集団で刺されて死亡した事例があるほど、ミツバチの攻撃は危険なのです。
ミツバチの巣が自宅の敷地内にある場合には注意が必要です。
スズメバチやアシナガバチの巣は、1年だけ使用され、翌年に再利用はされません。
ですが、ミツバチは代々巣を引き継いで住み、どんどん大きくなっていきます。
身近な場所に巣を作られた場合には、速やかに駆除を行いましょう。
ミツバチの巣は規模が大きく、自力での駆除は困難なため駆除業者へ依頼しましょう。
巣に蓄えられていた蜜の処理も必要になります。
自宅の屋根裏に巣が作られていた場合には、蜜がこぼれて住宅を汚染する被害も起きてしまいます。
巣を見つけたらすぐに業者へ連絡しましょう。
その他の蜂の見分け方
スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの他にも、身近な場所に巣を作る蜂がいます。
- ・クマバチ
- ・ドロバチ
- ・ジガバチ
人をほとんど刺さない、穏やかな性格の蜂です。
クマバチの見分け方|木に穴を開けて巣を作る


クマバチは木に直径2㎝ほどの大きさの穴を開け、掘り進めて巣を作ります。
クマバチの巣の長さは最長40㎝にもなり、1つの巣穴に個室が何部屋も並んでいるような状態の巣を作ります。
クマバチは一度作った巣を代々引き継いで使うこともあり、個室を増やしながら掘り進めていきます。
主に自然界の木や竹に巣を作りますが、稀に住宅の柱に巣を作る場合があります。
クマバチ自体は人をほとんど刺さず、穏やかな性格の蜂ですが、住宅の柱に巣を作った場合には巣の駆除を行いましょう。
ハチ駆除センターでは、クマバチの駆除も承っております。
クマバチの巣の駆除は巣穴が長く、幼虫が穴の奥に居るため、掘り進められた巣を自力で行うのは困難です。
ドロバチの見分け方|放置しても大丈夫

ドロバチはほとんど人を刺さない蜂です。
毒針を持っていますが、幼虫の餌となる虫を捕まえるために利用します。
唾液で作った泥で巣を形成しますが、成虫は巣には住まないという特徴があります。
ドロバチは巣に産卵し、卵が幼虫になった時の餌となる虫を入れて巣に蓋をします。

上記写真(ドロバチの巣)のように巣に穴が開いているのは、巣に産みつけた卵から成虫になり、巣を破って外に出たためです。
ドロバチの巣は人を刺すような虫は住んでいないため、放置しても大丈夫です。
巣を撤去したいときも、自力で行うことができます。
写真のように穴が開いていれば空の巣なので、殺虫剤も不要です。
ヘラなどで巣を削り、水で洗い流せば撤去完了です。
ジガバチの見分け方|アリの巣みたいな巣

ジガバチは2cmほどの、細くて黒い体が特徴的な蜂です。
ジガバチは、土にアリの巣の様な小さな穴を開けて巣を作りますが、成虫は巣に住まないという特徴があります。
ジガバチもドロバチと同じように、巣に卵を産み、卵が幼虫になった時の餌となる虫を、毒針で捕まえて巣の中に入れ、土や砂、小石などで蓋をします。
ジガバチの卵が成虫となり、巣の蓋をこじ開けて外に出ると巣に穴が開いた状態となります。

上記写真のように穴が開いている状態であれば、中に蜂はいません。放置して問題ありません。
ただし、ジガバチの様に土に穴を開けて住む蜂もいるため、巣穴に頻繁に出入りする蜂を見かけたり、複数の蜂が周辺にいる場合にはジガバチの巣ではない可能性があります。
そのような場合は、放置は危険です。
蜂駆除業者へ連絡し、相談してみるとよいでしょう。
ハチ駆除センターでは、無料見積もりを行っています。お気軽にご相談ください。
まとめ
身近な場所に巣を作る蜂の見分け方について解説しました。
作られた巣の特徴と写真の巣の特徴を見比べて、蜂の種類を確認しましょう。
作られた巣がスズメバチやアシナガバチなどの、強い毒を持っている蜂であった場合、一刻も早く駆除しなくてはなりません。
夏から秋にかけて、蜂の巣は驚くほどの速さで大きくなります。蜂の巣を安全に駆除して、身の安全を確保しましょう。
ハチ駆除センターへのご相談はお気軽にどうぞ。
記事監修者コメント
ハチの巣駆除は、ご自身での対応が非常に危険なケースが多く、特にスズメバチは命に関わる事故につながることもあります。私はこれまで15年以上にわたって全国で蜂駆除の現場に携わってきましたが、近年は住宅密集地や高齢者の多い地域での被害が増えている印象です。
正しい知識と装備がないまま巣に近づくのは非常にリスクが高いため、異変を感じたらまずは専門業者にご相談ください。当社では、駆除作業の前に蜂の種類や巣の状況を正確に見極め、適切な方法と料金をご提案しております。安心・安全な暮らしを守るために、信頼できるプロの対応をおすすめします。
監修者プロフィール
監修者:ハチ駆除センター N.S
保有資格:防除作業監督者、ペストコントロール技術者(2級)、第二種電気工事士
業界経験:害虫・害獣駆除業界歴15年/蜂の巣駆除対応数3,000件以上