ツマアカスズメバチの巣の特徴と対策|分布や見つけたらどうするべきかも解説
「ツマアカスズメバチって、なに?」
「特定外来生物って聞いたけど、どうすればいいの?」
特定外来生物と聞くと、怖いですし、見つけたときにどうすればいいのか分からなくて不安になりますよね。
今回は、ハチ駆除センターが外来種のツマアカスズメバチについて解説していきます。
この記事を読めば、ツマアカスズメバチがどんな蜂で、なぜ特定外来生物に指定されているかが分かるようになります。
ツマアカスズメバチは攻撃的で、繁殖力が高く、在来種のミツバチを捕食してしまい、生態系への影響が危惧されています。
ツマアカスズメバチとは?【見分け方】
出典:気をつけて!危険な外来生物 | 東京都環境局
ツマアカスズメバチについて解説していきます。
・外来種
・黒っぽい体とオレンジ色の腹部が特徴
・巣は涙型で表面は凸凹
・攻撃性が高く、繁殖力も強い
・飛び方が直線的
ひとつずつ見ていきましょう。
見た目の特徴
ツマアカスズメバチは、全体的に黒っぽい体に、腹部先端周囲が鮮やかなオレンジ色が特徴です。
他のスズメバチは黒とオレンジのしま模様を持つものが多いのに対し、ツマアカスズメバチは全体的に黒っぽく、腹部先端周囲のオレンジ色がはっきりしています。
その他にツマアカスズメバチは、他のスズメバチと比べると体が小さい特徴があります。
女王蜂の大きさ | 3cm |
働き蜂の大きさ | 2cm~2.4cm |
巣の特徴
ツマアカスズメバチの巣は涙型で、高所に作られることが多く、サイズも大きい傾向にあります。
日本在来の蜂と比べると、ツマアカスズメバチが作る巣は、表面が凸凹しています。
ツマアカスズメバチは、巣を高所に作ることができます。15m以上の高さに巣を作ることもあり、これにより巣の発見が遅れてしまいます。
攻撃性の特徴
日本の在来スズメバチと比べて、ツマアカスズメバチは、攻撃性が高く、巣を守る性質が強い傾向があります。
ツマアカスズメバチは巣に近づく者に対して敏感に反応し、警告音を発しながら複数で攻撃をします。
ツマアカスズメバチは他のスズメバチに比べて広範囲に飛び回る習性があり、敵とみなしたものを追跡する距離も長い傾向があります。
40mほど追跡するとの報告もあり、一度警戒態勢に入るとしつこく追い続け、集団で攻撃を仕掛けてくるため、注意が必要です。
繁殖力が強いため、急速に分布を広げているのが特徴です
繁殖力も非常に強いため、巣が一度形成されると短期間で個体数が増加し、周辺地域への影響も大きくなります。このため、ツマアカスズメバチの存在が確認された場合、早急な対応が必要です。
飛び方の特徴
飛び方にも特徴があり、他のスズメバチがジグザグに飛ぶことが多いのに比べて、ツマアカスズメバチは直線的に飛びます。
直線的な飛行は、効率的な移動や獲物を狙った攻撃の際に有利で、餌を捕るときや巣の防衛時に顕著です。飛行速度も速く、目的地に向かって一直線に進むため、狙った相手の追跡や攻撃が迅速で精度が高いとされています。
この直線的な飛び方により、ツマアカスズメバチは攻撃対象を迅速に捕らえ、攻撃行動に移ることができるため、他のスズメバチと比較しても防御行動の際に非常に危険な存在です。
ツマアカスズメバチはどこに生息している?【分布地域】
ツマアカスズメバチは、中国南部や東南アジアを原産とする外来種のスズメバチです。
繁殖力と分布拡大能力が非常に高く、日本では2012年に長崎県対馬市で初めて定着が確認されました。
その後、九州本土や中国地方の一部地域でも個体や巣が確認され、現在も分布が拡大しています。
韓国の都市部でも街路樹や人家周辺に営巣する例が報告されており、世界的にも広がりつつあります。
特定外来生物に指定されていて、ツマアカスズメバチの早期発見と駆除が重要です。
ツマアカスズメバチは、日本の生態系に影響を及ぼしており、分布の拡大を最小限に抑える努力が求められます。
日本では、長崎県対馬市で最初に定着が確認され、その後、九州本土(福岡県、佐賀県、大分県、宮崎県)や中国地方(山口県、広島県)などでもツマアカスズメバチの個体や巣が確認されています。
分布が拡大している地域もあり、環境省が調査と分布地拡大の防止策を進めています。
気を付けて!危険な外来生物|東京環境局
ツマアカスズメバチはなぜ注意が必要なのか?【危険性】
ツマアカスズメバチは外来種で、人間や生態系、農作物に対して深刻な影響を及ぼす可能性があります。
以下に、具体的な危険性について詳しく説明します。
①人への被害
ツマアカスズメバチは攻撃性が非常に高く、巣に近づく者に対して敏感に反応し、集団で攻撃します。
また、ツマアカスズメバチの毒は強力で、在来種のスズメバチと比較しても毒性が高いと言われています。
刺されると、通常のスズメバチよりも強い痛みと炎症を引き起こすことがあり、複数箇所を刺されると症状が悪化する可能性があります。アナフィラキシーショックを引き起こすリスクが高まるため、特に注意が必要です。
ツマアカスズメバチは追跡距離が長いため、逃げた先でもしつこく追いかけてくることがあります。
特に子どもや高齢者が刺された場合には重大な健康リスクを伴うため、ツマアカスズメバチの巣を発見した場合は速やかに専門業者に連絡することが推奨されます。
②生態系への影響
ツマアカスズメバチは外来種であり、日本の生態系にとって脅威となっています。
在来のミツバチや他の昆虫を捕食するため、生態系のバランスが崩れる可能性があります。
ミツバチは植物の受粉を担う重要な役割を果たしていますが、ツマアカスズメバチによって数が減少すると、植物の受粉が滞り、生態系全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
さらに、ツマアカスズメバチの繁殖力が高いため、短期間で個体数が増加し、在来種の生息環境を脅かすことも問題となります。
③農作物への影響
ツマアカスズメバチは農業にも大きな影響を与える可能性があります。
ミツバチの捕食によって、農作物の受粉が妨げられ、果物や野菜の生産量が減少する恐れがあります。
特に、果樹園や農場では、受粉が不十分になることで収穫量が減少し、経済的な損失が発生する可能性があります。
また、ツマアカスズメバチが果実を直接攻撃して傷つけることもあり、その結果、商品価値の低下や病害虫の発生を引き起こすリスクも増大します。
農業従事者にとって、ツマアカスズメバチの発見と早期駆除は非常に重要です。
巣を見つけたらどうする?【安全な対策方法】
ツマアカスズメバチの巣を見つけた場合、自分で駆除しようとするのは非常に危険です。
ツマアカスズメバチは攻撃性が高く、巣を守るために集団で攻撃してくることがあるため、適切な対応を取ることが重要です。
また、ツマアカスズメバチは「特定外来生物」に指定されており、生態系や人間への影響が懸念されているため、見つけたら絶対に放置してはいけません。
ツマアカスズメバチの駆除方法
ツマアカスズメバチの駆除には、専門の駆除業者に依頼するのが最も安全で効果的です。
特定外来生物に指定されているため、駆除には法律に基づいた適切な手順と知識が必要です。
業者は防護服を着用し、専用の駆除スプレーや道具を使用して、安全に巣を取り除きます。
駆除作業中は、安全な場所で見守るようにしましょう。
駆除後も再発を防ぐためのアドバイスを受け、周囲環境の管理を徹底することが求められます。
ツマアカスズメバチは、攻撃的な性格で毒も強いため、自力での駆除は行わないでください。
信頼できる業者の選び方と費用相場
信頼できる業者を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。
複数社から見積もりを依頼する | ・1社だけの見積もりでは価格の妥当性が判断できない ・3社ほどから見積もりを取り、比較検討する |
見積もり内容を詳しく確認する | ・安い見積もりを提示された場合でも、追加費用の可能性がないか ・作業内容が明確に記載されているか |
その場で即決しない | ・業者から急かされても、迷いがある場合はその場で決断しない ・家族や友人と相談してから決める |
第三者に相談する | ・見積もり時や作業時に一人で対応しない ・家族や友人に同席してもらう ・女性や高齢者だけで対応しない |
トラブルが起きたときの相談先を知っておく | ・消費生活センターや警察に相談できることを事前に知っておく |
蜂の巣駆除にかかる相場を知る | ・相場から大きく外れた見積もりが提示された場合は注意 ・スズメバチの駆除費用相場は9千~5万円 ・アシナガバチは4千~3万円 ・ミツバチは4千~5万円程度が目安。 |
悪質業者の手口を理解する | ・「特別な作業」や「専用防護服利用料」などの名目で追加料金を請求する場合がある ・見積もりに含まれる全ての項目の詳細を確認 |
契約書にサインする前に内容をしっかり確認する | ・作業内容や料金に納得がいかない場合は、サインしない ・必要に応じて消費生活センターや警察に相談 |
上記のポイントを参考にすることで、信頼できる蜂の巣駆除業者を選び、高額請求やトラブルを避けることができます。
悪徳業者の高額請求手口についてはこちらの記事を参考にして下さい。
ツマアカスズメバチとツマグロスズメバチの違いとは?
▲ツマグロスズメバチ
ツマアカスズメバチとツマグロスズメバチは、名前が似ていますが、違う種類の蜂です。
ツマアカスズメバチ | ツマグロスズメバチ | |
---|---|---|
種類 | 外来種 | 在来種 |
体の特徴 | 黒い体、腹部先端が鮮やかなオレンジ色 | 黒い体、腹部が黄色く、先端は黒 |
攻撃性 | 攻撃的 | おとなしい |
巣の位置 | 高い位置 | 低い位置 |
個体数の変化 | 分布拡大中 | 減少傾向 |
生態系への影響 | 高い | 環境変化で減少している |
ツマグロスズメバチは日本の在来種。
比較的おとなしく、巣を低い場所に作ることが多いです。近年、ツマグロスズメバチの個体数は、生息環境の変化や農薬の使用により減少傾向にあり、生態系への影響が懸念されています。
まとめ:ツマアカスズメバチの巣を安全に対策する方法
今回は、ツマアカスズメバチについて解説しました。
ツマアカスズメバチは外来種で、攻撃性が高く、黒っぽい体とオレンジ色の腹部が特徴です。
高所に涙型の巣を作り、繁殖力が強いため日本各地で分布が拡大しています。
生態系、農作物に深刻な影響を与えるため、巣を見つけたら専門業者による早急な駆除が必要です。
業者選びでは複数の見積もりを取り、信頼性を確認することが重要です。
ハチ駆除センターでは、無料見積を行っています。「ツマアカスズメバチかな?」と思ったら、お気軽にお問合せ下さい。