土の中に巣を作る蜂の種類と生態を徹底解説!巣の見分け方と安全な駆除方法
庭や畑で見つけた小さな穴は、もしかすると土の中に巣を作る蜂の巣かもしれません。
土の中に巣を作る蜂は、外敵から身を守りながら幼虫を育てるために巣作りの場所に土の中を選びます。
巣があることを知らずに近づくと、攻撃される可能性があり、蜂の種類によっては命の危険があります。
今回は、年間1万件以上の蜂の巣を駆除するハチ駆除センターが、土の中に巣を作る蜂の種類やその生態、見分け方について詳しく解説します。
土の中に巣を作る蜂の中には、蜂の中で最も危険なオオスズメバチが含まれています。
この記事を読めば、蜂刺されから身を守るための知識が身に付くでしょう。
土の中に巣を作る蜂「地蜂(じばち)」とは?
出典:森林総合研究所
土の中に巣を作る蜂は主に、スズメバチやハナバチの仲間です。
蜂は花粉を運ぶことで植物の受粉を助け、花や樹木の成長に貢献しています。
土の中に巣を作る蜂の総称を「地蜂(じばち)」と呼び、庭や畑、自然の中で見かけることが多いことが特徴です。
地蜂は、他の場所に巣を作る蜂とは異なり、土壌の中に巣を作ることで外敵から身を守り、安定した環境で繁殖します。
地蜂には他の蜂に比べて攻撃性が高い種類もおり、巣を守るために人間や動物に対して防衛行動をとることがあります。
土の中に巣を作る蜂には以下のような種類の蜂がいます。
・オオスズメバチ
・クロスズメバチ
・クロアナバチ
・マルハナバチ
蜂が土に巣を作る理由
地蜂が土の中に巣を作る主な理由は、巣の保護と安全性の確保にあります。
土の中は天敵からの攻撃を避けやすく、温度や湿度が安定しているため、幼虫が育ちやすい環境です。
また、土中は外部の気象条件の影響を受けにくく、巣を安定して維持できるという利点もあります。
土の中に巣を作る蜂の主な種類と見分け方
土の中に巣を作る蜂には以下のような種類の蜂がいます。
・オオスズメバチ
・クロスズメバチ
・クロアナバチ
・マルハナバチ
ひとつずつ詳しくみていきましょう。
オオスズメバチ
オオスズメバチは、日本で最も大型のスズメバチの一種で、その攻撃性から非常に危険な蜂とされています。
体長は4〜5cmほどで、鮮やかなオレンジ色と黒の縞模様が特徴です。
土の中に大きな巣を作り、多くの個体が集団で生活しています。
大きな巣は土の中で1mほどの大きさに成長します。草むらや土手、林などに巣を作ります。
クロスズメバチ
クロスズメバチはオオスズメバチよりも小型で、体長は2〜3cmほどです。
黒い体が特徴で、巣の中で育つ幼虫を外敵から守ります。
巣に近づくことで攻撃される危険性があります。
クロスズメバチは土の中に巣を作り、居住の庭や公園、畑などで見られることがあります。
クロアナバチ
クロバチは、体長2〜3cmで細長い体型が特徴の黒い蜂です。
クロバチは単独で行動することが多く、地中に小さな巣を作ります。
クロバチは巣に卵を産み終えた後、餌として毒針で麻痺させたイモムシなどを巣に運び込みます。その後、巣の入り口を砂や小石などで埋めて、外敵から巣が見つからないように隠してしまいます。やがて、巣に生まれた卵が成長し、羽化した時に巣から出てくるのです。
毒針はありますが、こちらから接触しなければ攻撃してくることはほとんどありません。
マルハナバチ
マルハナバチは、丸みを帯びた体と黄色と黒の縞模様が特徴の蜂です。
マルハナバチは非常に穏やかで、攻撃性はほとんどありません。
地中に巣を作り、花の蜜を集めるために畑や花畑などで頻繁に見かけます。
マルハナバチの巣は、柔らかい材料でできた球状の巣を作り、地中や草むらなどで見かけます。マルハナバチは多くの個体が集団で生活することはなく、小規模な群れを形成します。
土の中に巣を作る蜂の生態
土の中に巣を作る蜂、地蜂(じばち)の生態について解説していきます。
・繁殖行動
・巣の構造と材料
・季節ごとの活動パターン
ひとつずつ見ていきます。
繁殖行動
地蜂(じばち)を含む多くの蜂の繁殖行動は、春から夏にかけて行われます。
女王蜂は、前年の秋に交尾をし、冬眠を経て春になると、巣に卵を産みます。この卵が孵化して働き蜂や次世代の女王蜂になります。
巣を代々引き継ぐ蜂もいれば、引き継ぎはせずに毎回新たに巣を作る蜂の種類もいます。
巣の構造と材料
地蜂(じばち)の巣は、土や植物の繊維を使って作られています。
巣は通常、地中に穴を掘って作られ、その中に多数の部屋を作ります。これらの部屋は、幼虫が育つための場所や、餌を貯蔵するためのスペースとして使用されます。
季節ごとの活動パターン
地蜂(じばち)を含む蜂の活動は、季節ごとに異なります。
春に女王蜂は巣作りを始め、巣に卵を産みつけます。
夏に向けて卵が羽化し、成虫になっていきます。巣の大きさが巨大化していきます。
夏の終わりから秋にかけては、巣が最大の規模に成長し、蜂の活動も最も活発になります。外敵や人間に対して攻撃的になりやすく、最も危険な時期となります。夏から秋は、巣に近づいたり、刺激を与えたりしないように特に注意が必要です。
秋が深まると、巣の活動は徐々に落ち着き、働き蜂と今期の女王蜂は寿命を迎えます。
冬になると、次期女王蜂が巣から出て木や土の中で冬眠の準備を始め、蜂の活動はほぼ停止します。冬の間は静かに過ごし、春になると再び活動を再開します。
庭や畑で土の中に巣を作る蜂を見つけたら
・巣の発見方法
・接近時の注意点
・安全な対処法
巣の発見方法
地蜂の巣は、庭や畑の地面にある小さな穴や、その周囲を飛んでいる蜂を観察することで発見できます。また、蜂が頻繁に地面に出入りしている場所を見つけることで、巣の存在を確認することができます。
地蜂の巣は非常に見つけにくく、気が付かないうちに巣を踏んでしまい、刺されることもあります。草むらや林、森など、地蜂の巣がありそうな場所では、巣があるかもしれないと考え、慎重に行動しましょう。
巣を観察する時の注意点
観察することを理由に蜂の巣に近づく際は、蜂の攻撃に十分注意しましょう。
巣に刺激を与えると、蜂が攻撃してくるため、無闇に巣に接近しないようにすることが重要です。
蜂が活発に活動する日中よりも、夕方など活動が少なくなり始める時間帯に観察する方が比較的安全です。ただし、夜間は暗くて観察が難しいため、適切な明るさの時間帯を選びましょう。
安全な駆除方法
庭や畑で地蜂の巣を見つけた場合、最も安全で確実な方法は、専門業者に依頼することです。駆除業者は適切な装備と知識を持っており、安全に巣を撤去することができます。
どうしても自分で対処する必要がある場合は、駆除作業は夜間に行い、蜂の動きを注意深く観察しながら慎重に行動することが重要です。
ただし、巣がオオスズメバチだった場合には絶対に自力での駆除は行わないで下さい。
土の中の巣は、どれくらいの大きさであるのかが分からず、想像以上の蜂が攻撃してくる可能性があります。
自力での駆除方法
防護服の着用 | 頭を含めた全身を覆う防護服や厚手の衣服、手袋、ゴーグルを必ず着用します。 |
夜間に作業を行う | 夜間は蜂の活動が鈍るため、駆除作業を行う最適な時間帯です。 懐中電灯を使い、巣の位置を確認しながら作業します。 |
駆除スプレーの使用 | 市販の蜂専用駆除スプレーを巣の入り口に向けて噴射します。 巣全体に薬剤が行き渡るように十分な量を使用します。 |
撤退後の確認 | スプレーを噴射した後は、その場を離れ、翌日以降に巣の活動が停止しているか確認します。 |
巣の撤去 | 巣にいた蜂をすべて駆除できたことを確認したら、巣を掘り起こして完全に撤去。 土壌を整地し、蜂が再び巣を作らないようにします。 |
自力で行う蜂の巣駆除については、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
土の中に巣を作る蜂は、私たちの生活において重要な役割を果たしている一方で、時には危険を伴うこともあります。地蜂の中には、オオスズメバチやクロスズメバチなど、刺されることで命が脅かされる危険がある蜂もいます。
蜂の巣が庭や畑、公園などの身近な場所に作られてしまった場合、自己流での駆除は危険なためやめておきましょう。
蜂の巣を安全かつ効果的に駆除するためには、駆除業者に依頼することを強くお勧めします。
適切な知識と装備を持っており、再発防止策も含めて安心して任せられます。また、駆除が必要かどうか判断に迷った場合でも、まずは相談してみることが大切です。
ハチ駆除センターへの問い合わせをお待ちしています。